FXの高値・安値はどこを見る?全部の山と谷を追うとチャートが分からなくなる_アイキャッチ画像

FXでは、よく言われます。

「高値と安値を見ましょう。」

はい。

で。

どれです?

チャートを開けば、山があります。

谷もあります。

その中に小さな山。

さらに、その中にもっと小さな山。

5分足を開けば高値。

1時間足を開けば別の高値。

4時間足には、もっとデカいやつ。

全部見るんですか?

全部に線を引くんですか?

全部を「重要な高値」と呼ぶんですか?

……忙しいですね。

柔道で、相手の右手の小指が2cm動いた。

左足のつま先が3cmずれた。

襟が少し浮いた。

全部を同じ重要度で追いかけていたら、たぶん投げられます。

見るべきなのは、もっと大きなところ。

相手の重心が、どちらへ動いているのか。

チャートも似ています。

高値・安値は大事です。

ただし、

高値・安値なら全部大事。

ではありません。

この記事では、FXチャートで高値・安値を見る時に、私がどこを見ているのか。

そして、なぜ細かい山と谷を全部追いかけるほど、逆に相場が分からなくなるのか。

ここを整理します。

FXの高値・安値とは?チャートの山と谷から基本を整理

この記事でいう高値・安値は、ローソク足1本の高値・安値だけを指しているわけではありません。

チャート全体を見た時にできる、

  • 上へ動いてから下へ折り返した山
  • 下へ動いてから上へ折り返した谷

こうした値動きの節目を見ています。

いわゆる、スイングの高値・安値です。

上昇相場なら、

高値が切り上がる。

安値も切り上がる。

下降相場なら逆。

高値が切り下がる。

安値も切り下がる。

これはダウ理論でも使われる基本的な見方です。

ここまでは、そんなに難しくありません。

教科書にも書いてあります。

問題は、実際のチャート。

教科書のチャートは親切です。

山。

谷。

山。

谷。

綺麗。

実際の相場は、そんなに接待してくれません。

大きな山の途中に、小さな山。

その中に、さらに小さな山。

つまり、

「高値・安値を見る」だけでは、まだ足りない。

どの規模の高値・安値を見るのか。

ここまで決めないと、判断は簡単にブレます。

FXの高値・安値はどこを見る?重要な山と谷の見分け方

私は、チャートに見える高値・安値を全部同じようには見ません。

というより、

全部を同じ重要度で見たら、たぶん何もできなくなります。

例えば1時間足で上昇している。

その途中、5分足では小さな下降があります。

高値を切り下げた。

安値も切り下げた。

はい。

では下降トレンド。

売りますか?

1時間足では、ただの押し目かもしれません。

見るサイズを変えれば、トレンドなんて簡単に変わって見えます。

ここでやりがちなのが、

買いたい時は大きな波を見る。

不安になったら小さな波を見る。

さらに不安になったら1分足。

……。

都合のいい証人を探し始めています。

高値・安値を見る前に、まず決めたいのは、

「自分はいま、どの大きさの波を見ているのか」

FXの高値・安値はどこを見る?全部の山と谷を追うとチャートが分からなくなる_細かい波と深い波の対比

FXの高値・安値が分からない時は大きな山と谷から見る

最初から細かく拾う必要はありません。

チャートを少し離して見て、

  • 明らかに上昇が止まって反転した場所
  • 明らかに下落が止まって反転した場所
  • その後の値動きに影響している山と谷

まずは、このくらいからでいいです。

拡大して初めて見つかる高値。

ローソク足数本だけの小さな谷。

そういうものまで最初から全部採用すると、チャートはすぐにこうなります。

高値。

安値。

高値。

安値。

高値。

安値。

……点呼でもしてるんですか。

全員の名前を呼ぶ必要はありません。

重要な高値・安値は「その後の値動き」で見分ける

FXの高値・安値はどこを見る?全部の山と谷を追うとチャートが分からなくなる_形だけではなくその後の値動きを見る

もう一つ、私が見ているのは、

その高値・安値のあと、相場がどう動いたか。

です。

例えば、ある安値から強く反発した。

そのまま直近高値を抜いた。

なら、その安値は単なる小さな谷より意味を持ちます。

逆に、高値をつけたあと強く売られ、直近安値まで崩した。

その高値も見ておきたい。

つまり、

形が山だから重要なのではありません。

その山や谷から、何が起きたのか。

ここまで見ます。

もちろん、その場で未来の値動きが分かるわけではありません。

高値・安値の重要度は、
その後の値動きによって後から強まることもあります。

柔道でも同じです。

相手が少し足を動かした。

それだけなら、ただ足を動かしただけ。

でも、その一歩で重心が大きく崩れた。

なら話は変わります。

値動きも、形だけではなく、

その後に何を動かしたか。

FXの高値・安値が分からなくなる原因|途中で基準を変えない

高値・安値の見方に、絶対唯一の線引きがあるわけではありません。

時間足も違う。

トレード期間も違う。

見ている波の規模も違う。

だから、多少の違いは出ます。

問題はそこではありません。

自分の都合で途中から変えること。

これがまずい。

エントリー前。

「この安値を割ったら上昇の見方をやめよう。」

そして買う。

価格が下がる。

安値を割る。

すると突然、

「いや、もっと下に重要な安値がある。」

出ました。

新しい安値。

さらに下がる。

「4時間足ではまだ上昇トレンド。」

出ました。

新しい時間足。

さらに下がる。

「週足なら……」

もうやめましょう。

試合中に畳を広げないでください。

見る高値・安値は、ポジションを持ってから探すものではありません。

先に決める。

そして、そこを崩されたら考え直す。

この方がずっとシンプルです。

FXの直近高値・直近安値はどこ?一番近い山とは限らない

FXでは「直近高値」「直近安値」という言葉をよく使います。

便利です。

私も使います。

ただ、先に決めておきたいことがあります。

どの大きさの波に対する「直近」なのか。

です。

5分足の小さな波を見れば、その波の直近高値があります。

1時間足の大きな波を見れば、別の直近高値があります。

同じチャートの中に、普通に両方あります。

だから、

近いから重要。

新しいから重要。

ではありません。

私がさらに見るのは、

  • 何度も反応しているか
  • そこから大きく動いたか
  • 上位足でも目立つか
  • その高値・安値を抜いたことで値動きの構造が変わるか

こうしたところです。

つまり、

「直近かどうか」と「重要かどうか」は、同じ話ではありません。

一番近い山を見つけて、はい直近高値。

一番近い谷を見つけて、はい直近安値。

それだけでは、見ている波の大きさが抜けています。

FXの高値・安値は何分足で見る?上位足だけ見ればいいわけではない

FXの高値・安値はどこを見る?全部の山と谷を追うとチャートが分からなくなる_時間足によって見える高値と安値は違う

ここで次に出てくるのが、

「じゃあ上位足の高値・安値だけ見ればいいんですね。」

です。

違います。

また極端。

日足の高値・安値は、多くの値動きをまとめて見ることができます。

大きな節目も分かりやすい。

だから見る意味はあります。

でも、1分足で数pipsを狙っている人が、日足の高値まで100pips以上あるのに、

「日足ではまだ上だから。」

だけでエントリーする。

それも違います。

柔術で言えば、

いま目の前で腕を取られているのに、

「試合全体の流れでは私が優勢です。」

と言っているようなもの。

いや、その腕。

まずそこです。

高値・安値も、

自分が実際にトレードする時間軸との距離感

が大事です。

上位足をどこまで見るのかについては、こちらの記事で詳しく整理しています。

高値・安値の切り上げ・切り下げでトレンドをどう判断する?

例えば、高値を更新した。

でも、安値はまだ切り上がっていない。

では上昇トレンド確定。

……と急ぐ必要はありません。

基本的には、

  • 高値も切り上がる
  • 安値も切り上がる

この両方が揃っている方が、上昇の構造は分かりやすくなります。

下降なら逆です。

高値も安値も切り下がる。

ただ、実際の相場では、

高値だけ更新した。

安値はまだ分からない。

高値は切り下がった。

でも安値は割っていない。

こういう途中経過が普通にあります。

そこで毎回、

上昇!

下降!

上昇!

下降!

と判定を変える必要はありません。

判定保留。

これも立派な判断です。

相場は常に、買いか売りかの二択問題を出しているわけではありません。

FXで高値・安値を抜けたらどう判断する?ブレイク後まで見る

重要そうな高値を抜けた。

重要そうな安値を割った。

これは大事です。

ただし、

抜けた=その方向へ伸び続ける。

ではありません。

ここは別の記事でもかなり書きました。

高値を抜けた。

買い。

安値を割った。

売り。

これだけだと、判断が一段早い。

抜けたあと、その外側に価格が残るのか。

戻された時に、抜けた価格帯が支えや抵抗になるのか。

それとも、何事もなかったように中へ帰るのか。

私はそこまで見ます。

高値・安値を見る意味は、

線を引くためではありません。

価格がその場所をどう扱ったのかを見るため。

ブレイクアウトについては、こちらで詳しく書いています。

FXの高値・安値はヒゲと終値どちらで判断する?

FXの高値・安値はどこを見る?全部の山と谷を追うとチャートが分からなくなる_ヒゲと終値の違い

これもよく迷うところです。

ヒゲで前の高値を少し抜いた。

でも終値では戻った。

これは高値更新なのか。

私は、

「高値をつけた事実」と「ブレイクが有効だったか」を分けて見ます。

ヒゲで上へ出たなら、その価格まで実際に取引されたこと自体は事実です。

ただし、そこから押し戻されて終わったなら、

「上へ抜けたのに維持できなかった」

という情報もあります。

逆に、終値で抜けたから絶対に本物。

でもありません。

終値は確定します。

未来までは確定しません。

だから、

  • どこまで抜けたか
  • 終値がどこにあるか
  • その後も外側を維持できるか
  • 戻された時にどう反応するか

まで合わせて見ます。

「ヒゲなら無効。」

「終値なら有効。」

この二択だけで相場が全部片付くなら、だいぶ楽です。

FXで高値・安値を見る順番|迷わないためのチェックポイント

高値・安値を見る時のチェック

  • まず、自分が見る基準の時間足を決める
  • 一目で分かる大きな山と谷を見る
  • その高値・安値から、どれだけ価格が動いたかを見る
  • 何度も反応している価格帯か確認する
  • 上位足でも目立つ場所か確認する
  • 高値だけ、安値だけで急いでトレンド認定しない
  • 抜けた瞬間より、抜けた後の値動きを見る
  • エントリー後に都合よく別の高値・安値へ変更しない

難しいことを増やしたいわけではありません。

むしろ逆です。

見る高値・安値を減らしたい。

そのために基準を作ります。

チャート分析は、情報を増やす競技ではありません。

必要なものを残す作業です。

柔道でも、技を100個知っている人が必ず勝つわけではありません。

相手が崩れた。

今、入れる。

その瞬間に使える技がある。

十分です。

チャートも同じ。

高値を100個見つける必要はありません。

いまの判断に必要な高値・安値が分かればいい。

FXの高値・安値についてよくある質問

FXでは高値・安値のどこを見ればいいですか?

まずは、自分がトレード判断に使う時間足で、一目で分かる山と谷から見ます。

細かな上下をすべて高値・安値として追う必要はありません。

その後の値動きを大きく変えた場所や、何度も反応している場所、上位足でも目立つ場所は優先して確認します。

直近高値・直近安値とは一番近い山と谷ですか?

文字通り最も近い山・谷を指して使われる場合もありますが、実際の分析では、どの規模の波を見ているかによって「直近」の意味が変わります。

小さな値動きまで拾えば直近高値・安値はいくらでも増えるため、先に見る波の規模を決めることが大切です。

高値・安値はヒゲと終値のどちらで判断しますか?

一つの絶対的なルールに統一する必要はありません。

ヒゲは実際につけた価格として確認しつつ、ブレイク判断では終値や、その後に抜けた価格帯を維持できるかまで見る方法があります。

大切なのは、毎回都合よく基準を変えないことです。

高値と安値が切り上がれば上昇トレンドですか?

一般的には、高値と安値の両方が切り上がっている状態は上昇トレンドとして整理しやすくなります。

ただし、高値だけを一度更新したからといって、その先まで上昇が保証されるわけではありません。

押し安値とは何ですか?

一般的には、直近高値を更新する上昇の起点になった安値を押し安値として見ます。

押し安値をどの規模で取るかは、見ている時間足や波の大きさによって変わります。

戻り高値とは何ですか?

下降局面で、直近安値を更新する下落の起点となった高値を戻り高値として見ます。

押し安値と同じく、どの時間足・どの規模の波を見ているかを揃えることが大切です。

ZigZagを使えば高値・安値は簡単に分かりますか?

ZigZagは、細かな値動きを省いて山と谷を見やすくする補助にはなります。

ただし、設定によって表示される波の大きさは変わります。

インジケーターが「正しい高値・安値」を決めてくれるというより、見る波のサイズを揃える補助として考えた方がよいです。

FXの高値・安値は何分足で見ればいいですか?

一つの時間足だけが正解というわけではありません。

自分がエントリー判断に使う時間足を基準にしつつ、必要に応じて上位足の高値・安値も確認します。

大切なのは、ポジションを持った後に都合よく見る時間足を変えないことです。

押し安値と直近安値の違いは何ですか?

直近安値は、見ている波の中で直近につけた安値を指して使われることがあります。

一方、押し安値は一般的に、直近高値を更新する上昇の起点となった安値を指します。

そのため、直近安値と押し安値が常に同じ場所になるとは限りません。

高値・安値には水平線を引いた方がいいですか?

重要な高値・安値を確認するために水平線を使う方法はあります。

ただし、すべての山と谷に水平線を引く必要はありません。

何度も反応している場所や、その後の値動きを大きく変えた場所など、意味のある高値・安値に絞った方がチャートは見やすくなります。

では、実際にどこへ水平線を引き、どの線を残すのか。

水平線の引き方と、線だらけにしない考え方はこちらで整理しています。

まとめ|高値・安値は全部見るものではない

FXでは、高値・安値を見ることは大切です。

でも、

チャートにある山と谷を全部追いかけること。

それが分析ではありません。

むしろ、全部拾い始めると、

上昇トレンド。

下降トレンド。

また上昇。

やっぱり下降。

見るたびに答えが変わります。

それでは、高値・安値を見ているのではなく、

迷う材料を集めているだけです。

まず、見る時間足を決める。

大きな山と谷を見る。

そこから何が起きたのかを見る。

そして、決めた基準をポジションを持った後に変えない。

柔道で相手の指先を全部追いかける必要はありません。

見るのは、崩れ。

重心。

そして、自分が技を掛けられる位置。

チャートも同じです。

高値・安値を探すことが目的ではありません。

その高値・安値を使って、今の相場をどう判断するのか。

目的は、こっちです。

高値を抜けた。

安値を割った。

そこで反射的に飛びつく前に。

その高値、本当にあなたが見ていた高値ですか?