FXトレンド転換と判断の見極め方|インジケーターではトレンドの始まりが見極めできない
※過去チャートでのトレンド解説は「後付け」の机上分析です。


当記事ではリアルタイムのチャートによる
「インジケーターの問題点とトレンド転換の始まり見極め方」について解説します。

トレンド転換・判断を見極めるにはトレンドの本質を知っておく必要がある

トレンド転換の見極め方を知っていないと、
FXで勝ち続ける事は出来ません。

なぜなら、トレンドを理解しないと注文方向の判断がつかないからです。
しかも、トレンドはなんの前触れもなく、突如として急転換します。

トレンド。この奥深い言葉。
トレンド判断、トレンド発生、トレンドフォロー、トレンド相場、トレンドライン、そしてトレンド転換・・・。

この先、上に行くのか、下に行くのか?
上昇トレンドなのか、下落トレンドなのか?

どうやって見極めて、トレンドを判断すればよいのか?

トレンドとは“相場の流れ”です。
推進エネルギーです。

しかしこのトレンド。
永久に続くわけではありません。

いつかは終わりを告げ、レンジ相場へと収束していきます。
あるいは急に「トレンド転換」して、逆方向に進み始めます。

この突然の予兆を掴む方法はないのか?どうやって見極めるのか?どう判断するのか?
もちろん、方法があります。

トレンド転換の始まりを見極めるインジケーターはこの世にありません

転換の始まりを見極めるインジケーターやテクニカル指標はあるか?

インジケーターでトレンド転換の始まりを捕らえるのは不可能です。
必然的に、インジケーターでこの先のトレンドを判断するのも無理ゲーになります。

これには明確な理由があり、インジケーターは常に遅れて表示されるからです。

インジケーターが上を示すから、ローソク足が上がるわけではありません。
下を示すから、ローソク足が下がるわけでもありません。

ローソク足が上へと移動した結果、
後から付いてくる形でインジケーターが変形するのです。

インジケーターとは元々そういうものですから、変に勘違いしないように。
これは「トレンド系」でも「オシレーター系」でも同じです。

例えば、売られすぎ・買われすぎの目安となるテクニカル指標に
「RSI」があります。

相場の環境認識の補助としては確かに使えます。
しかし、「RSI」が上に張り付いたから、相場が下に進むとかでは全くありません。

もし、そうだったら、FXトレーダーの全員がそれで勝てていますよね?

インジケーターやテクニカル指標は、相場からワンテンポ遅れて表示されます。
ハッキリ言って、トレンド転換の始まりを捕らえるには遅すぎです。

トレンドの始まりの初期判断やトレンド転換の見極めには使えません。

トレンドの始まりが分かるよう見せかけた、それっぽいインジケーターならあります(が、勝てません)

トレンド転換の始まりをフォーメーション分析やチャートパターンで見極める事は可能か?

「ダブルトップになったから、すぐにトレンド転換するはず!」
「ダブルボトムになったから、トレンド転換の発生だ!」

・・・即答で無理です。
FX経験者なら誰もが一度は通る道かもしれません。

ダブルトップという図形は後から見て、“M”っぽい形になります。
ダブルボトムという図形は後付けで、“W”という文字に見えるからそう呼ばれます。

形成途中の段階では、分からないことです。
しかも、トレード転換時には綺麗なチャートパターンが発生しない場合の方が多いです。

従って、リアルトレードにおいて初動(トレードの始まり)を捕らえるという観点では
全く使えません。

「移動平均線から乖離しすぎた。そろそろ戻ってくるだろう!」

肝心の「一体いつ戻るのか?」が分かりません。

押し目や戻りを待つ、“狙い”としては正しいですが、
トレンド転換の初動(始まり)を捕らえるには不向きであると。

トレンド転換は小さな時間軸から大きな時間軸へと伝播する

トレンド転換の初動(始まり)を捕らえるには、短い時間軸を見る必要があります。

なぜなら、トレンド転換は小さな時間軸で生まれ、大きな時間軸に育っていくからです。
1分足→5分足→15分足→30分足→60分足→4時間足→日足→週足→月足

一時間は60分です。
60分足は1分のローソク足60本で構成されています。

60分足チャートだけを見る=1分足チャートの60倍“鈍感”なローソク足を見ている

これを回避するに、複数の時間足チャートを見て判断する必要があります。
(マルチタイムフレーム分析)

モロ一直線の定規のように動いていれば、一つの時間軸だけ見ていれば十分です。

しかし、実際の相場には推進派(大きな流れ)と調整波(小さな流れ)があり、
ジグザグに動いています。

調整波が大きくなって、推進派へと変わるまさにその瞬間、
トレンド転換を目のあたりにした「歴史の証人状態」になれます。

短い時間軸を見ると言っても、どのように見れば良いのか?
では、具体的なトレンド転換・判断の見極め方に入っていきましょう。

日足レベルでのトレンド転換・判断

以下のチャートはコロナショック後、2020/03/13(金)のドル円、日足チャートです。
13日の金曜日の夜ですね。


トレンド転換解説_日足チャート

※日足チャート俯瞰

赤の矢印から青の矢印にかけて、急角度で暴落しています。
いわゆるコロナショック相場です。

もう少し拡大すると、次のようになります。


トレンド転換解説_日足チャート拡大

※日足チャート拡大

この間で、1,000pips(10円)近くの値動きを記録しています。
上は112円台から下は101円台まで。

かなりの荒れ相場で相当のボラティリティ。

もしこの状態で、青矢印の付近から、ショートエントリーしていたらどうでしょう?
即死状態です。

みるみる内に上がっていき、損切りもなかなか出来ず、心の中で「下がってくれー」。
しかし、時すでに遅し。

下がる気配もないまま、じわじわと上がる一方です。

なぜ、このような悲劇が生まれるのか。

それは、トレンド転換のサインを見逃してしまっているからです。
トレンド転換のタイミングを見逃してしまうと、注文と同時に含み損を抱える羽目に陥ります。

どんどん含み損が拡大し、プラ転することなく、MAXで損切り。

でも、大丈夫です。
こうならないように、トレンド転換・判断の見極め方を、分かり易く解説していきます。

トレンド転換は小さな時間軸で発生する

先に見た日足チャートを、今度は60分足チャートで見てみましょう。
倍率を低めて、全体を表示させています。


トレンド転換解説_1時間足チャート俯瞰

※60分足チャート俯瞰



普通にチャート表示させると以下のようになります。


トレンド転換解説_1時間足チャートの底部分

※60分足チャート



青矢印部分が「底」ということになります。
ここがまさに、トレンド転換の部分です。

リアルタイムだとこんな感じです。





さて、この歴史的瞬間を、拡大するとこうなります。


トレンド転換解説_1時間足チャートの底部分の拡大

※60分足チャートの底部分

それで、ここからがトレンド転換・判断の見極め方の解説です。

一日は24時間なので、
60分足(=1時間足)の24本で、日足が構成されています。

日足チャートの一本の中に、60分足のローソク足が24本入っているイメージ。
この概念がトレンド転換・判断の理解には必須となります。


日足と一時間足の関係


外枠の日足よりも、内部の60分足チャートの方が
“敏感”にトレンド転換を見極めれる事が分かると思います。

「トレンド転換はより小さな時間足から始まる。」
このイメージをまずは肌で感じとって下さい。

トレンド発生とトレンド継続。そしてトレンド転換へ

トレンド転換の前に、トレンドそのものへのゼロからの理解が必要です。

トレンドには明確な「定義」があります。
ただ漠然と、上がったり下がったりを繰り返しているわけではありません。

そう、あなたも一度は聞いたことがあるでしょう。
「ダウ理論」ってやつです。

下降トレンドの「定義」は、高値&安値の両方が切り下がっている状態です。

つまり、ローソク足一本一本の高値がどんどん下に更新されている。


トレンド転換解説_1時間足チャートの高値の切り下がり

次の高値が前の高値よりも下(60分足)


と同時に、安値も下に更新されている。


トレンド転換解説_1時間足チャートの安値の切り下がり

次の安値が前の安値よりも下(60分足)



上昇トレンドの定義は、その逆です。
つまり、高値&安値の両方が切り上がっている状態。


トレンド転換解説_1時間足チャートの高値の切り上がり

次の高値が前の高値よりも上(60分足)



トレンド転換解説_1時間足チャートの安値の切り上がり

次の安値が前の安値よりも上(60分足)


下降トレンド(↓)上昇トレンド(↑)に挟まれている所が、
まさにトレンド転換している「→」の部分です。

下降トレンドの更新が終わり、上昇トレンドの更新に変わる瞬間。
これがトレンド転換です。

つまり、トレンド転換を見極める方法とは、より短い時間足で
ローソク足高値&安値の更新具合で判断する事
です。

短い時間足であればあるほど、精度が上がります。

転換シグナルの判断と実トレードへの応用方法(リアルタイム)

次は、1時間(60分)未満のトレンド転換を狙っていきたいと思います。
先のチャートから1時間が経過した60分足を見てみましょう。

「底」以降ずっと上がってきましたが、最後の足は陰線です。
一番右の棒。


トレンド転換解説_1時間足ショートエントリー目線

※トレンド転換の初動(60分足レベル)



これをより“敏感”な1分足レベルで見てみるとこうなります。
右の方60本に分解されます。


トレンド転換解説_1分足ショートエントリー瞬間

※トレンド転換後(1分足)

分かりますか??

60分足では一本の棒でも、1分足レベルでは、右の方が既に、段階的に下げてきているのです。
下り階段のように。



解説の矢印を入れてみましょう。

途中から上への更新が終わっています。
高値・安値の更新が上げから下げへと切り替わっていますよね?


トレンド転換解説_1分足ショートエントリー瞬間のダウ理論を解説

※トレンド転換後、ショートエントリー(1分足)

まさに、登り階段から下り階段への切り替わり。
この間がまさにトレンド転換の初動(始まり)なのです。

60分足レベルでは全く分からなくても、それを60倍に分解した、1分足レベルでは明確です。
少しずつトレンド転換が始まりかけている事がハッキリと判断できるはずです。

なので、ショートエントリーを仕掛けています。(スキャルピング)

エントリーの2分後にはもう含み益です。


トレンド転換解説_1分足ショートエントリーの後の含み益

※トレンド転換後(1分足)



これを再び、60分足に戻してみるとこんな感じ。


トレンド転換解説_1時間足でショートエントリーの後の含み益を俯瞰

※トレンド転換後(60分足)



この後はどうなったのか?

翌週始め、2020/03/16(月)の60分足チャートです。


トレンド転換解説_1時間足の翌月曜の昼

※翌週の月曜(60分足)

大きく下方向に窓開けして週の始まりを迎えています。
結果的に、60分足レベルでも上げから下げに、トレンド転換していますね。



さらに二日後。

なんと、少しずつ這い上がってきています。
これは、再びトレンド転換した事と判断できます。

60分足レベルで、下げから上げへと、上昇トレンドになっています。

やはり、コロナ相場は荒れに荒れて、上下に激しく動きます。
ボラティリティの大きい相場こそ、まさに稼ぎ時。


トレンド転換解説_1時間足の翌水曜の夜

※水曜の夜(60分足)



さらに翌日。
アップトレンドの継続です。


トレンド転換解説_1時間足の翌々木曜の昼

※木曜の昼(60分足)

ローソク足の高値&安値に注目して下さい。

上昇トレンドへの再転換後、そのままトレンド継続している事が
よく分かるチャートです。

正しくチャート分析すれば、トレンド転換・トレンド継続を見極める事が出来ます。
判断力が増し、根拠と自信に裏打ちされた、計画的なトレードに挑むことができます。

結果、あなたもFXで稼げるようになります。

トレンド転換初動の見極め判断(リアルタイム:ウクライナ相場での歴史的円安)

2022/10/20のことです。
1ドル150円を超える歴史的な円安を記録しました。

これが反転するか、もっと、160円台まで行くのか?
誰にも分かりません。

少なくとも私には分かりませんが、
トレンド転換の初動(始まり)を見極めて、利用する事は可能です。

  • 素早くトレンド発生の予兆を掴む
  • トレンド転換を見極めて、判断
  • 正しい方向にフォロー



以下は、2022/11/09(水)の週足チャートです。
32年ぶりの高値を付けた後のチャートです。


ウクライナ相場でのトレンド転換_週足

※週足チャート


右下に向けたトレンドラインを引いています。

続いて、同じタイミングの日足チャートです。


ウクライナ相場でのトレンド転換_日足

※日足チャート


さらに、同じタイミングの4時間足チャート。


ウクライナ相場でのトレンド転換_4時間足

※4時間足チャート



チャートの真ん中付近までは、ずっと上がってきたのに、後半は明らかに下がっています。
上昇から下降へとトレンド転換したのか?

この4時間足チャートに解説をいれます。


ウクライナ相場でのトレンド転換_4時間足(高値が切り下がっている)

※4時間足チャート(解説付き)


高値(〇)は確実に切り下がっていますが、
安値(〇)は切り下がっていません。

つまり、安値も高値も切り上がる上昇トレンドは終わった。
しかし、この段階ではまだ下降トレンドが発生(トレンド転換)したわけではないのです。

この切り下がり切れていない部分に、水平ラインを引いています。

ここを勢いよく下抜けると、下方向へブレイクしていき
完ぺきな下降トレンドへと、転換していく可能性が高いです。

それで実際、この後どうなったか?
続きが気になる場合は、以下記事の追伸:16からの詳細解説へどうぞ。

トレンド継続・トレンド転換の見極め方まとめ(=トレンド判断)

トレンドの継続性と転換ポイントが分かれば、
この先のトレンド判断が付きます。

継続と転換では、見るべき時間軸が異なります。

トレンド継続の見極め方まとめ

トレンド、つまり相場の方向は大きな時間足を見れば分かります。
大きな時間足の影響を受けやすいからです。

トレンドの継続を考えると、大きな時間足の方向に進む確率が高い

月足>週足>日足>4時間足>60分足>30分足>15分足>5分足>1分足

トレンド転換の見極め方まとめ

トレンド転換は小さな時間足から始まります。
その後、大きな時間足に乗り移っていきます。

1分足→5分足→15分足→30分足→60分足→4時間足→日足→週足→月足

なので、トレンド転換を見極め、その初動(始まり)を捕らえるには
より小さな時間軸を見て判断する必要があります。

  • 小さな時間軸にシフト
  • ローソク足の高値・安値が更新されてるかに注目
  • 更新が止まれば、それがトレンド転換のサイン



追伸:1

くれぐれもインジケータや図形パターンに頼ったり、
身勝手な予測による逆張りは狙わないようご注意を。



追伸:2

トレンド転換が分かっていないと、
自分の思惑とモロ逆方向に相場が進み続ける事があります。



追伸:3

別に無理して、トレンド転換を狙う必要はありません。
流れに乗って、後からトレンドフォローをすれば良いからです。



追伸:4

分からない時はノーエントリー。
これも一つの判断です。



追伸:5

トレンド転換が見極められると、トレンド継続も分かります。
本質は同じです。



追伸:6

トレンド転換・継続を捕らえる一つの判断方法として、
トレンドラインを自動で引いてくれるアプリ(インジケーター)が使えます。