
「スキャルピングでも上位足を見ましょう」
また、それですか。
FXで困ると、
なぜか最後は上位足が呼ばれます。
1分足で負ける。
「5分足を見ましょう」
まだ勝てない。
「15分足も確認してください」
それでもダメ。
「1時間足の方向も重要です」
……。
どこまで上に逃げるんです?
4時間足?
日足?
週足?
最後は月足に相談ですか。
スキャルピングですよ。
目の前の数分、
短い値幅を取りにいくトレードです。
なのに、
「上位足を見れば見るほど、
ちゃんと分析している」
みたいな空気がFXにはあります。
私、そこかなり嫌いです。
上位足を見ること自体が悪いんじゃない。
上位足を見ているだけで、
環境認識した気になるな。
という話。
1時間足が上だから買い。
4時間足が下だから売り禁止。
上位足から下位足まで、OKが出揃うまで待つ。
はい。
それで勝てるなら、
誰もスキャルピングで苦労しません。
上位足は便利です。
でも、
便利な道具と、
答えをくれる神様は別物です。
今回は、
FX界で半ば呪文のように唱えられる、
「上位足と方向を揃えましょう」
を、
遠慮なく粉砕します。
スキャルピングで「上位足を見れば精度が上がる」――その説明、雑すぎません?
よく見かけます。
「上位足を確認すると、
エントリー精度が上がります」
はい。
便利な言葉ですね。
何となく正しい。
何となくプロっぽい。
初心者も、
「なるほど。上位足か」
と納得しやすい。
でも、
何の精度が上がるんです?
方向?
エントリー?
損切り?
利確?
勝率?
そこを説明せず、
「上位足を見れば精度アップ」
で終わる。
それ、
説明を省略しているだけです。
上位足を見れば、
大きな流れは分かります。
高値・安値も見える。
サポートやレジスタンスも見つけやすい。
レンジの上限・下限も分かりやすい。
ここまではいい。
問題は、
その次です。
「だから上位足と同じ方向に入ればいい」
急に結論が飛びます。
いやいや。
途中、だいぶ省きましたよね。
上位足で背景が見えた。
それと、
今ここで買うか売るかは別です。
「上位足と同じ方向だけ狙え」――それ、スキャルピングを捨ててません?
そして、
次に出てくるのがこれです。
「上位足と方向が揃った時だけ入りましょう」
安全そう。
失敗しなさそう。
教科書にも書きやすそう。
でも、
スキャルピングの話ですよね?
1時間足が上昇トレンド。
その途中で、
5分足は明確に下げている。
1分足も下へ走っている。
そこで、
「1時間足が上だから売り禁止!」
……。
目の前で下がってますけど。
もちろん、
大きな流れに逆らう売りなので、
長く引っ張るのは別の話です。
反発ポイントも警戒する。
それは分かります。
でも、
「上位足と逆だから存在しない値動き」
にはなりません。
上昇トレンドでも下がります。
下降トレンドでも上がります。
押し目もある。
戻りもある。
その短い部分を取るのが、
スキャルピングになることもある。
それなのに、
上位足と逆方向=悪
みたいに扱う。
ちょっと待ってください。
それ、
スキャルピングを説明しているのか、
上位足への忠誠心を説いているのか、
分からなくなっています。
1分足・5分足・15分足・1時間足――全員正しい。だから余計にタチが悪い
ここからが、
マルチタイムフレーム分析の面白くて、
面倒なところです。
1分足。
「上です」
5分足。
「いや、下です」
15分足。
「レンジですけど?」
1時間足。
「大きく見れば上です」
会議開始。
議長不在。
しかも、
全員正しい。
これが面倒なんです。
1分足は、
1分足の範囲で正しい。
15分足は、
15分足の範囲で正しい。
1時間足も正しい。
なのに、
「本当のトレンドはどれ?」
と探し始める。
そんなもの、
ありません。
全部、本当です。
時間足が違えば、
見ている値幅が違います。
見ている値幅が違えば、
トレンド方向が違うのも当然です。
だから、
先に決めるべきなのは時間足ではない。
自分は、どの波を取るのか。
ここです。
そこが決まっていないのに、
5分足。
15分足。
1時間足。
と参加者だけ増やしても、
結論の出ないFX会議のむくみ化。
上位足は「方向を見るもの」?いや、現在地を見てください
ここも、
かなり誤解されやすいです。
上位足を見る。
すぐ、
「上か下か」
を探す。
それだけじゃ、もったいない。
むしろ重要なのは、
今、どこにいるのか。
1分足では、
綺麗な上昇。
買いたい。
勢いもある。
でも、
15分足を見る。
すぐ上に、
何度も叩き落とされた高値。
はい。
話、
変わりましたよね。
逆も同じです。
1分足ではガンガン下げている。
売りたい。
でも、
すぐ下には1時間足の強いサポート。
それでも追いかける?
利確を近くする?
反発を待つ?
こういう時に、
上位足が効きます。
つまり、
上位足は「買え」「売れ」の命令書じゃない。
「お前、今そこにいるぞ」と教えてくれる地図です。
方向だけ見て、
「上だから買い」
で終わっているなら、
せっかく上位足を開いているのに、
核心を完全に「スルー」しています。
ここでまだ「上位足が上なら買えばいい」と思った人へ
少し強く言います。
まだ上位足に答えを求めています。
上位足が上。
だから買う。
上位足が下。
だから売る。
そんなに簡単なら、
誰も環境認識で悩みません。
上位足が上でも、
高値圏ならどうする?
直上に抵抗があったら?
下位足が崩れていたら?
すでに大きく走った後なら?
ボラティリティが死んでいたら?
はい。
もう、
「上だから買う」だけでは足りないですよね。
それなのに、
「上位足と方向を合わせれば精度が上がる」
で全部終わらせる。
だから雑なんです。
上位足を見るなら、
方向ではなく、
その方向のどこにいるのか。
ここまで見て、
やっと意味が出てきます。
スキャルピングでは5分足・15分足・1時間足をどう使う?
では、
実際にどう使うのか。
ここはシンプルに整理します。
| 時間足 | 主に見るもの |
|---|---|
| 1分足 | エントリー、短期の勢い、損切り・利確 |
| 5分足 | 直近の波、短期トレンド、高値・安値 |
| 15分足 | 少し大きな位置関係、抵抗帯、レンジ |
| 1時間足 | 大きな高値・安値、重要価格帯、全体の位置 |
ここで大事なのは、
全部を見ることではありません。
1分足で入る。
5分足で直近の波を見る。
15分足で、
上や下に壁がないかを見る。
それで足りるなら、
それでいい。
1時間足まで必要なら見る。
必要なければ、
見なくていい。
よくある、
「1分足なら5分足と15分足を見ましょう」
という組み合わせも、
別に絶対ルールではありません。
5分足だけで足りる人もいる。
15分足の方が位置を把握しやすい人もいる。
1時間足はトレード前に一度見るだけ、
という人もいる。
それでいいです。
時間足の組み合わせに正解を探し始めたら、
また別の沼が始まります。
スキャルピングで数分の値幅を取りたいのに、
毎回日足のご意見まで伺う必要はありません。
相場に許可を取りに行ってるわけじゃないので。
上位足を確認しすぎると、スキャルピングではもう遅い
上位足を確認すればするほど、
安全になる。
そう思いたくなります。
でも、
確認を増やせば、
当然エントリーは遅れます。
1分足が先に反転する。
その後、
5分足が反転する。
さらに後から、
15分足が反転する。
全部の時間足が同じ方向を向くまで待つ。
よし。
1分足も上。
5分足も上。
15分足も上。
完璧。
入ろう。
……。
もう、だいぶ上がってます。
そして、
入ったところから押し始める。
これ、
別に珍しくありません。
下位足から先に変化するのは当然です。
15分足一本が完成する間に、
1分足は15本できます。
だから、
「全部揃ってから入れば安全」
とは限りません。
揃うまで待った代わりに、
一番おいしい値幅を他人に渡しただけ。
なんてこともあります。
スキャルピングで、この遅れ。
致命的。
含み損になってから上位足を見る?それ、ただの言い訳装置です
もうひとつ。
上位足を、
いつ見るのか。
ここも決めておいた方がいいです。
エントリー前?
保有中?
含み損になってから?
最後のパターン。
かなり危ないです。
買った。
逆行した。
損切りしたくない。
そこで1時間足を見る。
「まだ上だから大丈夫」
さらに下がる。
4時間足を見る。
「まだ上昇トレンドだから……」
さらに下がる。
日足を見る。
……いや。
上位足を見ているんじゃありません。
損切りしない理由を探しています。
これ、
別物です。
しかも恐ろしいのが、
時間足を上げれば上げるほど、
だいたい何かしらの希望が見つかること。
1分足では完全に崩れていても、
4時間足なら、
まだ上昇トレンドに見える。
日足なら、
ただの押し目にも見える。
そして、
「長期ではまだ上だから」
と言い始める。
さっきまでスキャルピングしてましたよね?
負けポジションだけ、
突然長期投資になります。
上位足を見るなら、
基本はエントリー前。
保有中に見るなら、
何を確認するためなのか決めておく。
後から都合のいい時間足を探さないこと。
上位足を見ないスキャルピングも普通にある
ここも、
はっきり言っておきます。
上位足を見ないスキャルピングもあります。
別に反則ではありません。
超短期の値動きだけを取る。
保有時間も短い。
損切りも明確。
トレードする時間帯も固定。
狙う値幅も小さい。
こういうスタイルなら、
上位足の重要度は下がります。
場合によっては、
上位足を見ることで、
かえって目の前の動きに反応しにくくなる。
そんなこともあります。
ただし、
「面倒だから見ない」
では弱いです。
「自分のトレードでは、
その情報を使わないから見ない」
ここまで言えるなら、
それは立派なルールです。
見るのが正義。
見ないのが初心者。
そんな話ではありません。
初心者に「上位足を見ろ」だけ教えるのは無責任です
私は、
これが一番気になります。
初心者に、
「上位足も見た方がいいですよ」
と言う。
簡単です。
そして、
言った側はちょっと良いことを教えた気になります。
でも、
初心者からすれば、
何を見ればいいのか分からない。
当然です。
1分足は上。
15分足は下。
1時間足は上。
で?
何すればいいの?
ここまで教えずに、
「環境認識が大事です」
で終わる。
それ、
説明した気になってるだけです。
FX初心者に必要なのは、
もっと具体的です。
- メインで売買する時間足を決める
- 確認する上位足を1つか2つに絞る
- 上位足で見る項目を固定する
- 上位足と逆方向ならどうするか決める
- エントリー後に都合よく別の時間足を持ち出さない
最初から、
「1分足・5分足・15分足・1時間足を総合的に判断して……」
なんてやる。
そりゃ、
迷います。
高度そうに見える分析なんてどーでもいい。
問題は、どう判断すればよい?
スキャルピングで上位足を見るなら、この5つだけ決めておく
ここまでを、
実際のルールに落とします。
最低でも、
次の5つです。
- どの時間足でエントリーするのか
- どの上位足を見るのか
- 上位足で何を見るのか
- 上位足と逆方向でも入るのか
- ポジション保有後に上位足をどう扱うのか
これが決まっていれば、
上位足は使えます。
逆に、
決まっていないなら、
その時その時で、
自分に都合の良い時間足を採用するだけです。
買いたい時は、
上昇している上位足を探す。
売りたい時は、
下降している足を探す。
含み損になったら、
もっと長い足へ逃げる。
負けたら、
「環境認識が甘かった」
で終了。
便利ですね。
何にでも使える反省です。
でも、
それでは次回も同じことになります。
結局、スキャルピングで上位足は必要?答えは「見る。でも従わない」
上位足は見ます。
でも、
上位足には従いません。
ここが大きな違いです。
上位足で、
- 大きな流れを見る
- 現在地を見る
- 高値・安値を見る
- サポート・レジスタンスを見る
- 値幅が残っているかを見る
そして、
目の前の短い値動きをどう取るかは、
下位足で決める。
上位足が上だから買い。
上位足が下だから売り。
逆方向は禁止。
全員一致するまで待つ。
……。
そこまで上位足様の許可が必要ですか?
スキャルピングですよ。
目の前の値動きを取るんですよ。
上位足は、
使うものです。
崇めるものではありません。
そして、
「上位足を見れば勝てるようになる」
と思っているなら、
そこも一度捨てた方がいい。
上位足を見ても、
負ける時は負けます。
ただ、
どこで戦っているのか分からないまま突っ込むよりは、
ずっとマシ。
その程度の距離感。
それでも、
「1分足で勝てなくて、困ってるんじゃないか・・・」
とか思ってます?
だったら、コレ。
1分足スキャルピングで勝てない理由|手法より先に疑うべきこと
時間足を犯人にするのは簡単です。
でも、
犯人がそこじゃなかったら?
また次の時間足へ逃げるんでしょうか・・・。



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